ユニバとさら高、ときどきヤンキー
あけましておめでとうございます。
今年はブログの更新を定期的に行って読んでくださっている皆様に有意義な暇つぶしを提供できればと考えています。
今回の記事のような自分語り、天鳳民列伝、 点数計算の覚え方などジャンルも広げていけたらと考えているのでどうぞよろしくお願いします。
さて、突然だが私の最も好きなものはユニバーサルスタジオジャパンだ。
ハッキリ言ってそこらのユニバ好きとはレベルが違う自負がある。
ブログとかで『ユニバの攻略法』みたいなものを書けばそれで収入を得られるんじゃないかと思うくらいユニバのことを愛しているし、知識も持っているつもりだ。
元々私は『動物園』とか『遊園地』とか、 そういったレジャー施設には全く興味がなかった。
あんなものはお子様が遊びにいくところで大人が行っても一日中歩いたり、列に並んだりして疲れるだけだと思っていたのだ。
事実、 中学校と高校の遠足でユニバに行ったことがあるのだが、 確かETに2時間くらい並んだ記憶がある。楽しいには楽しいが、高い金を払ってまで行くもんじゃないな、と思った。
そんな私の考えを変えるきっかけになったのは香川に住んでいたころに行ったレオマワールドという遊園地だ。
友人が「遊園地に行きたい」 というので香川県に唯一存在する遊園地であるレオマに向かった。
電車を小一時間乗って、徒歩で山を登って、 息を切らしながらたどり着いたレオマワールド。
当日、台風が接近していたこともあり、 園内は私達2人を含めてマジで20人くらいしかいないんじゃないか?と思えるほどの閑散ぶりだった。
一番目玉アトラクションっぽいジェットコースターも私たちが乗りに来たから渋々動かすみたいな感じで待ち時間は乗車準備の1分くらいだった。
これがはっきり言って死ぬほど楽しかった。
台風がきて悪天候で、
ハロウィンイベント中でお菓子を配るスタッフが気恥ずかしそうに 「トリックオアトリート…w」と呟く中途半端なホスピタリティで、
ガラガラすぎて午前中にはすべての乗り物に乗り終わってやることがなくなって、
夜のショーを観終わった瞬間豪雨に見舞われて、
帰りのバスを逃して1時間徒歩で山道を歩いて帰ったにも関わらず楽しかったのだ。
言っちゃ悪いがこんな場末の遊園地で死ぬほど楽しかったのだからディズニーリゾートやユニバにいったらどれだけ楽しいのか想像もつかなかった。
その数か月後、友達と今度はユニバに行った。
2泊3日で2日間はユニバという攻めたスケジュールだ。
これはもうたまらなかった。
帰り際に本気で憂鬱になって涙があふれてきたほどだ。
この時もはしゃぎすぎて腰が痛かったし、足の感覚も失いかけていたがそれを補って余りある楽しさだった。 ユニバの楽しさはいずれ別記事で語りたいと思う。
香川に住んでいたのでユニバに行く手段は様々だった。
一番安く行くならフェリーと電車を乗り継いでいく方法。 手軽に行くなら直接ユニバに到着する高速バス。 道中を楽しむならレンタカー。 もちろん私は全ての手段を経験した。
おかげで電車なら『 三ノ宮駅のこの位置から電車に乗れば大阪駅に着いた時に階段が目の前にある場所で下車できる』 みたいに各交通手段の攻略法を掴んでいった。
当然年パスを購入して、月に1度は必ずユニバに行っていた。 友達のほとんどは年パスホルダーではなかったので、 3グループほどの『たまにならユニバ行ってもいいよ』 勢をローテーションさせていた。
どうしても友達が行ってくれない場合は家族を誘っていたし、 家族すら行ってくれないときは一人で行くほどユニバが好きになっていた。
ある日、私は母と弟とユニバに行った。この日はマイカーだった。
夕方ごろにパークを出て帰路についたのだが、 ガソリンがほとんどないことに気付く。
車で行ったことある人はわかるかもしれないが、 高速道路乗り場の近くにセルフのガソリンスタンドがある。ここで給油をしていこうということで立ち寄ったのだが、これがまずかった。
入った瞬間に気が付いたのだが、このスタンドで暴走族が集会(ただ集団で給油していただけかもしれんが) を行っていたのである。
※「暴走族」で検索して一番彼らのイメージに近い画像
純正とは程遠い攻撃的なカスタムをされたバイクが数十台。 同じく気合の入ったいかにもワルそうな若者が数十人いた。
なんて間の悪いときに来てしまったんだ。
もう給油をすることなくスタンドから出ていきたい思いもあったのだが、
あからさまに『怖い人たちがいるので他にいきま~す』感が出て逆に絡まれるかもしれないという恐怖が芽生えたので神速で給油して出ていくことにした。
満タンまで給油したいところを、10Lだけにして力いっぱい給油ノズルのトリガーを引いた。
マジで人生で一番長い給油だった。そして急いで清算を済ませてガソリンスタンドから飛び出た。
ワイ「めっちゃ怖かったわ。にらまれてたやんな?」
おかん「あんたちゃんと店内見てから入らんと…。 絡まれたらエライことよ」
とにかく、 無事にガソリンスタンドを出れてほっと一息つくさら高一家。
しかし、 スタンドから出てすぐの信号で止まっているときに悲劇は起きてしまった。
ガソリンスタンドから次々に飛び出してくる世紀末バイク集団。その姿はさながら巣を攻撃されたスズメバチだ。
私たちの乗っている軽自動車はあっという間に彼らのバイクに取り囲まれてしまった。
しかし、我々はただ信号で止まっているだけだ。恐れることは何もない。平常心で信号を変わるのを待つだけだ…
そんな願いもむなしく、 なんと隣に停まった若者がバイクから降りて私たちのほうに歩いてきた。
涙が出そうだった。
神に誓って言うが私は何もしていない。ただ給油をしただけだ。 絡まれる覚えなど何一つないのだ。私は心の底から『 早く信号変われ!』と祈った。
だが無情にも信号は変わらない。そして、歩いてきたヤンキーがとうとう運転席の窓を叩いた。
周りのバイク連中もみんな私たちの車を指差して何か叫んでいた。
本気で人生終了したと思った。
私たちはさっきまでユニバーサルスタジオジャパンで楽しい時間を過ごしていたはずだ。
それがなぜ、いまこんな目に遭っているのか?
慎ましく暮らす家族の小さな楽しみさえ神は許してくれないというのだろうか。あんまりじゃないか。
私は観念して窓を開けた。 腕とかを入れられると怖いので声が聞こえるくらいの小さな隙間分 だけだ。
ワイ「なんでしょうか…(泣」
震える声で私は言った。
すると、ヤンキーは顎をしゃくりながら言った。
「給油口、開いてますよ」
ワイ「えっ」
予想外の言葉にパニックになった。
急いでガソリンスタンドを出たせいで給油口が開いていたのだ。
サイドミラーで見たら確かに開いていた。
周りのバイク連中も「 給油口ー!」「開きっぱなしやでー!」と叫んでいた。
でもどうすればいいのか驚きすぎてわからなかった。 信号変わりそうだし、ヤンキー怖いしでパニッパニッである。
ワイ「あっあっ…」
ヤンキー「閉めときますね~」
助手席側に停まっていたバイクの奴が駆け寄ってきて給油口を閉めてくれた。
「じゃあ気を付けて!」
そう言い残して彼らは爆音と共に大阪の街へ消えていった。
私たちは帰りの高速道路で彼らを見た目だけで判断したことを猛省した。
きっと彼らはどこかで誰かに迷惑をかけていることもあるだろう。
だけど、 見た目だけで彼らをクズだカスだと罵っていいわけがなかったのだ。
そうやって我々が彼らのことを決めつけて居場所を奪っているのではないだろうか?
腐ったみかんは他のみかんと一緒にすると周りも腐らせてしまう。
だけど、最初のみかんを腐らせているのは我々ではないだろうか。
腐った房があるならそこを取り除いて綺麗にすればいい。
そんな農家に私はなりたい。そう思った。