【番外編】フリー雀荘に潜む悲しき怪物3
雀荘は人だ。
今や全国に溢れているフリー雀荘だが、客が店選びをするときの基準はなんだろうか?
料金、ルール、立地、サービスなどいろんな要素があるだろう。しかし私は一番大事なのは人だと思っている。
その店で働くメンバーはもちろん、客層というのも雀荘を選ぶ上でとても大切な要素の1つだ。私達は麻雀を打ちにフリー雀荘を訪れるのではない。コミュニケーションの場としてフリー雀荘を選択しているのだ。お年寄りの集う喫茶店や病院と同じだ。
しかし、どれだけ気に入った雀荘にも1人や2人ウマの合わない人はいるものだ。そして、この世に蔓延る怪物【freaks】も数多く息を潜めている。
悲しいことにfreaksはその勢力を拡大している。みなさんがfreaksの被害に遭う前に、今回も怪物達の特徴と対策をご紹介する。
No.015
ハクション大魔王
遭遇率:★★☆☆☆
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★★★★
総合評価:A+
細菌を撒き散らすバイオfreaks。
クシャミをする時に手で抑えたりせずに、勢いよく放出する。
ウィルスを飛ばしてくることもさることながら、ツバや鼻水が飛んでくるのでシンプルに気持ち悪い。
亜種として、手でクシャミを抑えはするがそのままおしぼりなどで手を拭かずに牌に触れる怪物もいる。
私はやや潔癖の気があるので、本当にこのfreaksだけは無理だ。ただでさえ冬場の雀荘は感染症の温床になりやすい。もしもあなたの体調が優れないなら今日は家で天鳳をしておこう。
ついでにクシャミの抑え方は厚生労働省から公式にファイナルアンサーが出ているので紹介しておく。(画像は咳となっているが対策は同じだ)
No.016
時をかけるロン
遭遇率:☆☆☆☆☆(固有freaks)
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★
総合評価:S
これは私自身が被害を受けた話ではないのだが、実際に起きた事件なのでご紹介しよう。
時は遡ること数年前…
私の対面のおばちゃんからリーチが入った。
被害者のAくん(上家)はしばらく考えたのち、4mを切った。リーチに対しては激烈危険牌である。
しかし、おばちゃんは動じない。
Aくんも安堵の表情だ。
ワイ(やったな、A)
私はAくんの強気な押しに心の中で賞賛の言葉を送った。と同時に今度はAくんが危険なので2人の共通安牌を残すため面子を崩した。
そして下家のおばちゃんの切り番。
誰もが予想しないタイミングで事件は起こった。
下家おばちゃんは打1m。
リーチに通った4mの筋だ。
対面おばちゃん「ロン」
下家おばちゃん「!?」
ワイ「なっ…シャボだと…っ⁉︎」
Aくん「……」
対面おばちゃんが倒牌する。
待ちは1-4mだった。
ワイ「両面……⁉︎…………ん?」
下家おばちゃん「なんや1mかいな〜。ほんでも4m通ってるやないの」
下家おばちゃんの言う通りだ。
リーチ一発で4mが通っている。にも関わらず見逃してロンということは普通ならチョンボだ。
対面おばちゃん「せやからその4mがロンや」
Aくん「!?!?!?!?!?」
ワイ「その手があったか〜…‼︎」
なんとおばちゃん、掟破りのタイムトラベル。4mが切られてから私と下家おばちゃんのツモ番が回ってからの遅ロンだった。
対面おばちゃん「だってあんたら打つのが早いんやもん」
いや、そこまで早くないと思うが…
いや、待て。
そういえば年齢を重ねると"時間の感じ方"が変わるという話を聞いたことがある。私にとっては長く感じる10秒でも歳を重ねたおばちゃんにとってはほんの一瞬、刹那の出来事なのだろう。
結局、この理外のロンはおばちゃんが「慣れていないから許してあげて」という裁定で有効となった。ノーレならともかくオンレでその裁定はどうなんだ?
少しモヤモヤしたものが残ったが、今度から年配の方と打つ時は少しゆっくり目に打とうと心に決めたのだった。
No.017
ソシャゲ廃人
遭遇率:★☆☆☆☆
危険度:☆☆☆☆☆
不快度:★★★☆☆
総合評価:D
卓に着いてもずっとソシャゲをしているモノ。
ハッキリ言って不快である。
私も一丁前に麻雀をしている時は頭を使っている。にも関わらず、河もなんも見てないいい加減に打っている怪物が勝ち始めると流石にイラっとしてしまうのだ。
ガチャを引きたいなら代走を頼むとか、そもそも雀荘に来ないとか色々対策は打てるはずである。緊急の連絡とかならいいが、なぜ麻雀を打ちながらソシャゲをするのか。
この怪物の対処法は簡単だ。
副露やリーチを多用して気を散らしてやろう。
うまくいけば麻雀でも負かせられるし、ソシャゲの方も無駄にスタミナの浪費をさせられる。
No.018
目と目が合う瞬間
遭遇率:★★☆☆☆
危険度:★☆☆☆☆
不快度:★★★★★
総合評価:B
ダマ派の人に非常に多い。
ロンした後に、放銃した人の顔をじっと見つめてくる。その時、何を思っているかは定かではないが、やたら嬉しそうなドヤ顔をしていることが多い。
点数のやり取りをするときに顔を見るのは構わないが、放銃後に顔をじっと見られると「どう?俺のダマわからんかったやろ?」と言われているような気がして煮える。
逆に覚えておいてほしいのだが、1段目とかでダマにささるのは分からなくて当然だし大体曲げ優位なので損しているのは怪物の方である。
また、終盤のダマに放銃する時はこちらも「ヤバイかな」と思いながら切ってるので、完全に不意打ちだったというのはレアケースである。
とはいえ、ダマ5800とかは正直激痛だ。
顔を覗き込むことに悪意がない人もいるかもしれないが、やられてる側に不快な思いをしている私のような人間がいるということもご理解いただきたい。
No.019
自分を無敵と勘違いしたメンバーの寿命は短い3
遭遇率:★★★★★
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★
総合評価:S
もうこいつは本当に許せないので、こいつがいる店にはかなり長いこと足を運んでいない。
行くとしてもこいつと会いそうな時間帯は避けている。
今回紹介するエピソードはこれまでのものより比較的軽いものだ。
この怪物が私のことを完全に下に見ているのはPart1でお伝えした通りだが、実際直接の対戦成績では恐らく私が微妙に負け越しているはずだ。
だいたい私が先手を取っても怪物がゼンツして追っかけ→パッツモか私の放銃で競り負けるかのどちらかだが、たまには私が勝つときもある。
その日、私は頑張って手を作って筒子23456789の1-4-7p待ちのリーチを打った。高めなら一気通貫がつくし、仮に安めでも全く問題なしの親リーチだった。
聴牌外しまでしてたどり着いたこのリーチ、必ずモノにしたい。リーチの発声にも自然と力がこもった。
だが怪物は当然のように押してくる。2p、8p、3p…など私をあざ笑うかのように筒子を連打してきた。
(なぜこいつ1-4-7だけ出さないんだ…)
もしかしたら後ろから別のメンバーが通しでもしているのだろうか。などと人として最低な想像をするも、これだけ筒子が切られているのならば1pは山に生きているなと確信した。
脇2人はオリ気配なので怪物に追いつかれさえしなければツモれそうだ。
そう思った時だった。
怪物「リーチ!!」
河に置かれた赤5pが横に曲がっていた。
なんなんだこいつは。
なぜそんなに中張牌を押してくるのに1pは出ないんだ。
まずい…
俄然有利な状況のはずなのに、冷や汗が流れた。こいつに追いつかれたというだけで心は折れかけていた。
しかし次巡…
私は4pをツモった。
リーチ・平和・ドラ・ツモの2600オール。
高めにならなかったのは残念だが、上々のあがりだ。
事件はこの直後に起きた。
怪物「いいな〜、ツイてて!」
なんか…今こいつ…
この私の和了を運だけ扱いしなかったか…?
この聴牌に辿り着くまでに紆余曲折あったのに…それを全て……
"ツイてる"の一言で済ませたのか…⁉︎
さすがに限界だった。
これが運だけならお前のペン3p(パート1参照)なんか運だけの極みだろうよ。こっちは対子で3p持っていたんだぞ。
というか客に言われてもうっとうしいことをなぜメンバーのお前が言うんだよ。
もうこの怪物には雀荘メンバーというか接客業そのものが向いていないのでは……
勝利したはずの2600オールは何故か虚しかった。
今回の図鑑は以上だがいかがだっただろうか。
麻雀界には曲者が多い。
テーブルゲーム系は大体そんな気がするが何故なんだろう。どうしてもっとこう、スカッとした打ち方ができねぇのかな。
麻雀界をさらなる高みに昇華させる。
それが今の私の目標であり、願いである。