天鳳民列伝Vol.5 ボコボコなっちょ
このコーナーでは私が尊敬する天鳳民を本人の許可なく悪意に満ちた文章で勝手に紹介する。今回ご紹介するのは、 以前イーソーオクトパスのチームメイト紹介でも取り上げたボコボコなっちょ選手だ。
彼は小生意気な大阪のクソガキという属性を限界まで強化したような存在で、コテコテの関西弁と無駄に強気な発言は往年の亀田〇毅を彷彿とさせる。 基本的に麻雀中は対戦相手を煽るという分かりやすい悪役(ヒール)である。
実際は謙虚で丁寧な一面もあるにはあるが、だいたい猫をかぶっているだけである。
同じ関西天鳳民であるをがわとは犬猿の仲で( もちろんなっちょが猿)、よくLINE通話をしながら罵り合っている。 セットでも二人のリーチ合戦は阪神VS巨人、 武田信玄VS上杉謙信、宮本武蔵VS佐々木小次郎、 マリオVSクッパ、 カカロットVSベジータのように盛り上がることは必至の好カードだ。
外見的にはイーソーオクトパスのアニキとして親しまれるはるにゃむ選手を一回り小さくした感じで、 髪形や顔の雰囲気がどことなく似ているので兄弟説が流れている。
そんなボコボコなっちょ選手を語るエピソードとして、ついこの間のセットの話をご紹介。
点数状況が平たいまま迎えた東風戦サドンデスの南1局。
トップ目が頭一つ抜けている状況で、はるにゃむアニキ、ばん九段はどちらも僅差の3・4着目。 しかし、なっちょも2着目とはいえ気は抜けない。そんな状況だった。
満貫ツモでトップという条件のなっちょはこの局、 比較的整った配牌をもらっていた。
後ろ見をしていた私は「このまま手なりで進めてリッチかな」 と思っていると、なんと突然なっちょが「はい、満貫見えた」 と言って面子を崩し始めた。
ついにIQが2になったか?と思いながらもあまり局面のことを口に出して周りに情報を与える のもよくないかと思い黙って見守る私。一方、 なっちょはどんどん面子を崩していく。ドラも持っていないし、手役も見えないが何をしているんだろうか?
さすがに見かねた私はなっちょに声をかけた。
ワイ「なっちょそれホンマ?」
なっちょ「…マ(ホンマの意味)」
私にはさっぱり満貫が見えず、 首を傾げているとなっちょがヒントをくれた。
河を指差して、次に自分の手牌を指差す。
なにしてんだこいつ?と思ったが、 なっちょは執拗にヤオチュー牌を指差した。
よく見ると河に並んでいるのも全てヤオチュー牌。
……!そうか!
なっちょ「な?満貫あるやろ?」
そう、なっちょは流し満貫を狙っていたのだ。
手牌に残っているヤオチュー牌の数と残りのツモ番を数えてみると 、決して不可能ではなさそうだ。しかしまだ数枚足りていない。 このままではケイテンもとれずに終わってしまいそうだが…
そんな私の心配も杞憂に終わり、なっちょは次々にヤオチュー牌を引き入れていく。そして、 残りのツモ番を全てしのぎ切れると確信したその時だった。
なっちょは前原○大よろしく右手を高らかに掲げた。
なっちょ「はい!もう先言うときますわ。流し満貫。足りました~ !」
小憎たらしい表情で勝利宣言をするなっちょ。
このときのはるにゃむさんの「あ?」 という感じの表情が忘れられない。
なっちょ「もう足りてます~。鳴かれる牌残してません~。 はいトップ~」
ボコボコなっちょ… あんなに早い巡目からこの未来予想図を描いていたとはやるじゃないか。私は彼を心から称賛したかったが、 一つだけひっかかることがあった。
その勝利宣言、しなくてもよかったんじゃないか?
フラグになりそうな気がするが…
このまま進めばなっちょが流し満貫を達成することは確定しているが、 それをはるにゃむ選手とばん九段が指をくわえてみているだろうか ?そういえばさっきからばんがやけに静かだ。 私は一抹の不安を覚えながらも深く頷くなっちょを見守った。
すると、
なっちょ「あ、一枚足らへん」
なんとボコボコなっちょ選手、 チーで海底がズレたことを計算に入れておらず、 痛恨のヤオチュー牌不足が発覚。
あれだけイキっておいて流し満貫に失敗するのは恥ずかしすぎるぞ 。
なっちょ「嘘やろ?嘘やろ?マジで…頼む!来てくれ…!」
悲痛な叫びをあげながら力強く盲牌をするなっちょ。
そう簡単に奇跡は起こらない。 ヤオチュー牌ってのはサッと場を流したいときには無限に来るが、 国士無双や流し満貫を狙っているときには全く来なくなるものなのだ。
しかし、
なっちょ「きたーーーーー!」
漢ボコボコなっちょ、ヤオチュー牌を発掘。 これで流局までしのぎ切れることが確定した。 しかも一枚たりとも鳴かれる牌は残っていない。ポンはおろか、チーすら許さない完璧な牌の残し方だ。
やったな、なっちょ。
お前がNO.1だ。
渾身のドヤ顔をするなっちょ。ドリンクもグビグビ飲んでいる。 勝利の美酒というやつだ。
対照的に悲痛な表情で歯を食いしばる現状ラス目のはるにゃむさん 。
だが最後の1巡、事件は起きてしまった。
ばん「ツモ。300-500」
まさかのサドンデス続行の300-500ツモ。
やはりなっちょを妨害するのはこの男、ばん九段だった。
なっちょは酸欠の金魚よろしく口をパクパクさせて青ざめている。 怒りか悲しみか、とにかくひどいショックを受けたのか唇が震えていた。
一方、 はるにゃむさんは局が続行されたので浮上のチャンスが残り、はしゃいでいた。
なっちょ「ほんまなんやねんこいつ…めっちゃうざいわ…」
ワイ「まさかあなた…麻雀お上手の方ですか?」
ばん「はいぃ~!」
はるにゃむ「やっぱり九段は上手!上手やわ」
なっちょ「ほんまだるいって…」
ちなみにこの後、 先制立直を打ったなっちょだったが親のはるにゃむさんに追っかけられて放銃。5800の失点となりラス目に転落。 次局もばんに和了されてラスを押し付けられてしまった。
麻雀における勝利宣言は99%フラグとなってしまう。
「○段まであと1トップ」 とかツイットしてしまうと大体連ラスを引くのと同じだ。
ボコボコなっちょの痛みはいい教訓になった。
私たちも勝利を確信したとしても、大人しくしていよう。