最終話 目指せさらなる高み‼︎
こんばんは
さらなる高みです。
第1話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/02/012228
第2話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/02/183423
第3話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/04/022246
第4話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/08/000104
第5話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/08/234103
第6話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/15/021419
第7話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/30/001649
第8話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/09/14/193333
第9話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/09/19/234445
第10話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/10/16/015439
第11話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/10/18/221556
第12話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/11/11/203154
第13話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/11/12/112706
ついに到達した昇段戦。
あの長かった六段坂の頂についに手をかけた。
ここで一発で決める必要はない。無理をしてトップを取らなくてもいい。2着で御の字。3着でも問題ないんだ。
タイトルをかけたプロの対局に比べたら何度でも挑戦できるんだから緊張するな…
頭で言い聞かせても体は正直だった。
長年夢見た鳳凰卓があとたった一つのトップで手が届くところまで来ているのだ。
一度落ち着いて明日にするか…?
そんな弱気な考えがふとよぎる。
しかし、
「いや!こんな状態で眠れるか!」
私は半ばヤケになりながら予約を押した。
こうして魂の昇段戦が幕を開けた。
ご丁寧に四段から六段まで各段位の人間が揃っている。"特上卓"を凝縮したような卓だ。最後の対局にはふさわしい。
いざ尋常に勝負…‼︎
東一局配牌。
ドラが対子。ブロックは4。
まずまずの手だ。速度は今ひとつだがパワーはありそうなのでじっくりいこう。
3巡目
123の三色が見えて無理なくドラヘッドを使える体制。まだ仕掛けないが、終盤鳴いても和了が狙えそうなのは大きい。
とここで絶好の8pが入ったが、何を切ればいいか混乱。123の目を残して67m払いもいいが…
ここは打2s。
両面ターツを残し、よもやのドラ重なりも使い切れる形にしてみた。
次巡、7p引き!
その後もどんどん有効牌を引き入れ、強力なイーシャンテンとするも…
悪夢の先制リーチ。
しかし、この手はかなり押したい…
心の押し引きスイッチを迷わず「押し」に入れた。
しばらく頑張ったものの、この6s引きでさらなる高みのガラスのハートは限界を迎えた。とにかく放銃だけは避けたいという思いで67mを外していく。
粘りに粘ったが結局テンパイできず。
早い段階でテンパイしたら打8sで8000点の放銃となっていた。危ねえ……
東1局一本場
手なりでテンパイ。一手変わりで三色がつく手だが、現状役無しなので即リーチした。
上家に若干押されていて内心震えていたが6mポンの打8mをしっかりキャッチ。三色を見ずに即リーしたのが功を成した。2600は2900、リー棒を拾って4900点の加点。
東2局配牌
あまり打点に期待はできないが三元牌が2つ対子で速度感あり!点数はすこしリード気味なのでここは素早く流そうとした矢先…
"麻雀"が始まってしまう。
なんだよそれは。
なんだその清一色は!?!?
君がツモったのは場に2枚切れてる8pなんだが??????
なぜその嵌8pをツモられて、私はこの手を一副露もできていないんだ?????
…っと失礼、興奮していたので他家の和了批判をするところでした。
こんな時はみんなの大和田頭取こと中嶋隼也プロの『論理的思考で勝つ麻雀』(マイナビ出版・2019年)の表紙を見て落ち着こう…
運のなさを嘆いている暇は私にはないのだ。
これは下家さん見事な和了でしょう。
かなり痛い点差をつけられ、「無理せず2着で良くないか…?」と弱い考えが頭をよぎった。しかしまだ東場。チャンスはあるはず!
東3局配牌
人がやる気を出してるのになんだその落書きみたいな配牌は。いい加減にしろよ。
いや、嘆いても仕方ない…
ここは、勝つための思考法・戦術に則ってひとまず全力で手を作ろう…
10巡目
ん?
11巡目
なんかスイスイと有効牌が入ってテンパった!
これはツイている!不確定なタンヤオではなくもちろん平和のつく3m切りリーチ!これはアツいぞ!!
しかし次巡…
なにをしゃあしゃあと赤5m押してくれてんだよ。おまけにリーチだと?こっちはもうツモ切りマシーンと化してるんだぞ!
マジでこういうので掴むとかやってないからな…ホントにやめてくれよ…ホントに…
これは値千金の勝利!
完全に実力を反映したツモを見せてやった。ついでにさっき清一色をツモった下家にしっかり親被りさせて3000-6000の和了!
そして東4局…
勢いに乗ったさらなる高みはもう止まらない!
だが、しかしこれは"麻雀"…
もーーーごめんってーーーー
知ってるねんこの流れは掴むやつって。
浮かれたんは悪かったからほんま一発だけは勘弁して……
と思ったが、意外と安い手をツモってくれた。
こんなんで親満放銃とかマジでやってないのでほっと息をなでおろした。
東4局1本場
手なりで進めて1000は1300の放銃。
下家がかなり早かった。点数の近いライバルへの放銃は辛いが、安手で親を蹴れたのでOKだろう。
ここで半荘は半分を消化。
戦いは南場にもつれ込んで行く。
南1局配牌
ここで一度、状況を確認しておこう。
現状31100点持ちの2着。上2人と下2人の争いにはなっているが、全員僅差である。満貫一発で状況はひっくり返るし、ここから先はよりシビアに打つ必要があるだろう。
この親番を蹴ればラス目候補もだいぶ絞られてくる。大事な一局だ。
4巡目
ここで不用意に切ったドラの北を下家がポン。
まだ9pとか切るもの残ってるのにこれは大チョンボだ。さすがに冷房が止まっている疲れがここに来て判断力を鈍らせたか。
赤5mを引き入れたが、下家が1pをポン。
もう筒子がかなり切り辛くなってしまった。
無理して押し返す手でもないので、ここは諦めて筒子以外を切ってうっかり形式テンパイでも取れれば御の字だろう。
ただ、染め手に対応しているときに一番嫌なのは他家からリーチがかかることだ。他の色も切れなくなってしまう。
そんな私の懸念に応えるように…
お前が来るんかい!!
なんだその1p対子落としは!?
打点が全くわからないがメンタンピン赤とかに刺さるのは嫌だ。筒子はもう切りたくないし、これは困った。
歯を食いしばりながらオリていると…
最悪や。
それが一番嫌なリーチやねん。。。
なんか先制リーチに押してるな〜とは思ってたが、染め手にもヤバイ筒子を叩きつけてのリーチ。完全に親からの宣戦布告だ。
そして次巡、
またも私は"麻雀"を目撃することになる。
なんだァ?テメェ…
なんでこんな打撃戦になるんだ。こちとら昇段戦だぞ!!!お前、ラス目が…‼︎
大人しくしてろヨォ!!!
😢😢😢😢😢😢😢😢😢
表紙の頭取は優しく微笑んでいるが、もう涙で目が霞んで何も見えない。こんな不安嘆かずにはいられない…
大和田頭取…私はあなたの教えを守れそうにない…
煮えて煮えて…
しかし…まだ諦めてはいけない。
対局前に誓ったじゃないか。
無理にトップを取る必要はない。
3着でも良し。2着なんか取れた日には大勝利だ。
南1局一本場
点数はほぼ原点まで戻された。
今回はまずまず配牌だしタンヤオでさっとあがれそうだ。しかし愚形ターツが多いので、不安定な手でリーチを受けるわけにはいかない。慎重に進めよう。
親が早々に白のポン。
クソォ…やめろォ……😢
しかし、割り切って考えると、トップ目が和了する分にはもうどうでもいい。2着を目指していけばいいのだ。親とリーチに放銃しないようにだけ気をつけよう。
ここでズボッと赤5m!
3900からうまくいけば満貫・ハネマンも狙えそうだ。
ここで切った南を下家がポン。
お前らスピード勝負はやめろ!!!
ゆっくり手を作らせろ!!
しかしこちらも負けじと3pズッポシ!
こうなったら配牌の時とはわけが違う!
ここで俺はこのモンスターを召喚するぜ!
ゴブリン突撃部隊
ATK2400
DEF0
【戦士族・効果】
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。
ここが正念場だ。
もうちょっとやそっとではオリない。オリられない。
テンパイしたら嵌7sでも御構いなしにリーチだ!
すると麻雀の神が私のその心意気に応えたのか…
神様…あなたの想い、確かに受け取りました。
俺はこのモンスターを攻撃表示で召喚する!
そして、
麻雀人生最大最後の
空前絶後超絶怒涛限界突破アトミックリーチ!!!
リーチをかけた私の頭をさまざまな思い出が駆け巡った。
長い戦いだった。
大学時代、ふとしたキッカケで麻雀をはじめた。そしてドキドキしながら初めての雀荘デビュー。
初フリーでは指が震えた。ノーテンリーチをしてしまった。そんな初心者丸出しの僕に麻雀を教えてくれたのは雀荘のオーナー岡本プロだった。
あの時の教えは今も忘れていない。
きっとこれからも私の麻雀の根底には岡本プロの教えがあるだろう。
香川を出て移り住んだ関西ではマスター@イーソーを中心にいろんな天鳳民と知り合うことができた。
Twitter上で有名なプレイヤー達と毎週のように麻雀を打った。いろんな話をして、麻雀を教えてもらい、「さら高さんなら七段になれますよ」と言ってもらえたのがとても嬉しかった。
みんなの初鳳凰卓入りのときの話を聞いて、同じフィールドで早く自分も戦えるようになりたいと思った。
六段坂は本当に辛くて何度も挫折した。
少しの不調で昇段寸前から降段間際まで落とされ、全くやる気が出なくなった時期もあった。
それでもいつか七段に上がりたい!という一心で復活を遂げ、天鳳を打ち続けた。
Twitterに何切るを上げては、どこの誰かもわからん奴らに否定的な意見をぶつけられ、悔しい思いをしたが、それも自分の実力不足と歯を食いしばって耐え忍んだ。
1日に何度もラスを引いて悔しい思いをしたこともあったが、次の日には「絶対取り返してやる」という気持ちで予約を押したものだ。
そして今、ついに辿り着いた昇段戦。
ハネマンをツモられ、取り返したと思ったら今度はオヤッパネをツモられ…これでもかというほど"麻雀"というゲームの理不尽さを経験できた。
それでも私の心は折れてはいない。
この戦いを制してさらなる高みに登る‼︎
私は残った南2局からオーラスまで涙を流しながら打っていた。
まだ勝負は決していないのに気を抜くのは本当にダメだと思うが、倍満ツモで私の持っているものは全て出尽くしたのだ。
そして…
長い戦いが終わった。
緊張してなかなかOKを押すことができない。
(スクショをしないと…)
(観戦してくれている人は五分遅れだから最後まで楽しんでもらうために、すぐには結果をツイートしないでおこう…)
そんなどうでもいいことに気を巡らせながら、OKボタンを押した。
天鳳七段。
夢にまで見た文字がそこにはあった。
あんなに弱かった自分が鳳凰卓というフィールドに上がれた。
感動で指の震えがしばらく止まらなかった。
この後、多くの方から祝福のメッセージをいただき本当に嬉しかった。電気が止まっているので、携帯の充電が若干不安だったが、それすらどうでもいいと思えるほどの多幸感に包まれていた。
こうして私は夢の鳳凰卓に足を踏み入れたのだった。
私、さらなる高みが初の七段に昇段するまでを書き記したブログは以上で完結だ。
第1話に書いた通り、私は麻雀が下手くそだったが、特に実力を向上させることもなく、そのまま七段に昇段できた。
なので今六段坂で苦労している方もそこまでハイレベルな技術を身につけなくても七段になれるということがわかると思う。必要なのは根気と精神力だ。はじめての六段坂を登ってそれを痛感した。
本ブログにはタメになるようなことは一切書いてこなかったが、六段坂に挑戦してる時は無意味に「六段坂 きつい」とか「天鳳七段 すごい」とか検索しちゃいますよね。
そんな藁にもすがりたい思いで鳳凰卓を目指す特上民の皆様に向けてこのブログを書きました。
私自身まだ豆鳳民なのにイキってこんなブログ書いちゃっているが、たくさんの人に「楽しみにしてます」と応援していただけてありがたかった。
今後も何かしらブログは更新していこうと思うので、その時はまた目を通してくだされば幸いだ。
そして、関西にお住いの皆さんや関西に遊びに来るという方はぜひセットやオフ会のお誘いしてください!関西天鳳民の聖地(?)イーソー梅田店で会いましょう。
それでは長くなりましたが、今回はここまで!
またねー👋