【番外編】フリー雀荘に潜む悲しき怪物4
みなさんこんばんは、さらなる高みと申します。
このシリーズも早いもので4回目。
3回目の記事を書いたとき「 さすがにもうネタ切れだよ」 と思ってひっそりとこのシリーズは終了したつもりだったが、【FREAKS】の増殖が後を絶たないことを見かねて筆をとった次第である。
私のフリー歴もそこそこ長いが、それでもフリー雀荘に行くたびに新たな出会いがあるし、 麻雀のことを考えれば考えるほどFREAKSとの思い出がよみがえる。
まだフリー雀荘デビューを戸惑っている皆さんはこの図鑑を参考に 、FREAKSに負けない強い心を身につけてほしい。 そしてあなた自身が闇に飲み込まれないようにとの祈りを込めて今回も新たなFREAKSを紹介させていただく。
No.020 ゴージャスリーチ
遭遇率:★★★★☆
危険度:☆☆☆☆☆
不快度:★★★☆☆
総合評価:C
非常によく見かける。以前に紹介した点数申告を絶対しないマン(壊れたロボット)に似ているが、この怪物はリーチをするときに10000点棒や5000点棒を出してリーチをかけるのが特徴。やっていることの意味は分かる。1000点棒がないから代わりに5000点棒を出しているってことだろう。大人だからこっちも事情は察しますよ。
でもね???? ???
なぜ「両替してください」の一言がいえないのだろうか?
当たり前のように5000点棒を出して、自動卓は「ドキドキ、 リーチ~!」とやる気を出しているわけだ。で、周りの人が「よく見たらあれ1000点じゃなくね?」ってなって1000点棒を5本渡してあげるわけだが、私は内心では「なんでお前の都合で1000点がないのにこっちが気付いてやらなあかんねん!」と煮えくり返っている。
それくらい言えよ!(ドン)
私自身がちゃんとできているわけではないので恐縮だが、 そもそも1000点棒がなくならないような支払いを心がければ、このFREAKSに変身する第一歩目の予防が可能だ。
たまに、「5000点リーチやから点数も5倍や!」 というおっちゃんもいるが、それはただの気の良いおっちゃんなので温かい目で見守ろう。
No.21 メダル落とすゲームのヤツ
遭遇率:★☆☆☆☆
危険度:★★★★☆
不快度:★★★★★
総合評価:A
希少になりつつあるFREAKS。 こいつは局が終了して牌を落とすときに突然現れる。 ガバっと両手を開き、 腕をブルドーザーのように駆使して卓上の牌を全て真ん中の穴に叩き落とす。
「卓の進行が早くなるんだからいいじゃん」
そう思ったあなた、FREAKS予備軍です。
明らかに落とす側がモタモタしている場合を除いて、 この怪物の存在は不快&迷惑でしかない。
和了が発生したとき、相手の手牌を見て点数を計算していてもお構いなしに「早く流せ」と言わんばかりに牌を全て流されるこっちの身にもなってほしい。 点数の申告ミスの可能性も、 フリテンの可能性もこの怪物の前ではすべてが無意味。 奈落の底に叩き落とされる。
そもそも麻雀中に、 他の人の手牌や牌山に触れないのはもはやマナーではなくルールだ と思っている。 怪物本人は点数計算もフリテンチェックも終えたのかもしれないが 、麻雀は4人でやるゲームだということを今一度思い出してもらいたい。
ぶすっとした表情で牌をすぐに流してさ…
笑いながら麻雀を打っていたあの頃のお前、 どこにいっちまったんだよ…
No.022 邪魔ポンマン
遭遇率:★☆☆☆☆
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★
総合評価:A+
アンパンマンみたいな名前をしているが害悪邪魔ポンによってゲームに影響を与えてくる非常に危険な存在。
しかし、 ルール上彼の所業がアウトかどうかは意見が分かれそうな脱法FREAKSだ。あくまで「私はダメだと思っている」という前提で話半分に聞いてほしいのだが、
そもそも邪魔ポンというのは
「他家がこの牌を欲しそうだな…」
「だったら手に入れられる前にポンするぜ!!ポン!」
というのが正しい邪魔ポンだと私は思っている。結果、 ポンとチーの発声がかぶったりしない限りは他家が当該牌を必要としていたかどうかはわからないというある種のギャンブルだ。 そういったリスクを負ってでも他者の妨害のためにポンをする…それが正しいゲーム性の中であるべき邪魔ポンの姿だ。
しかし、 この怪物はそのリスクを排除して自分に都合のいい邪魔ポンを行うのである。
つまり、
A 打3s
B(…!チーするか?しかし、まだ序盤だ… ここで副露するのは得策かどうか…)
C「…!ッポン!!!」
そう、 チーするかどうか下家が思案している様子を確認してからポンをするのだ。本当に卑怯なポンである。 そりゃもしかしたら怪物自身も(ポンするか…?) と考えていたかもしれない。でも私に言わせてもらうと、 チーのラグがなければ下家のツモ番にフェイズは移行しているのだ 。つまりチーラグがなければ、 ネトマじゃないんだからポンラグなんてものはなく、 ポンの機会は失われいるはずなのである。
それをチーするかどうか考えている様子を見てからポンをするというのは、いかにも「あいつにチーされるくらいなら鳴くゾ!」 と言っているように思われても仕方ないのである。
かわいそうに、 私の友人であるをがわさんは3回くらいこの怪物の犠牲になった。 当時の私は草を生やしていたが今思うと友人が殺されているのに笑 うしかできない自分の不甲斐なさを呪うばかりである。
まあ、 変なトラブルが起きるのを防ぐにはポンにしてもチーにしても「 出たらどうするか?」を事前に決めておくのが一番である。 それが難しいのが麻雀ではあるが。
No.023 ミスディレクション
遭遇率:★★☆☆☆
危険度:★★★☆☆
不快度:★★★★★
総合評価:A
ミスディレクションとは、 手品などで用いられるテクニックの一つで、 人の注意を誘導する技術のことである。 麻雀でミスディレクションを行うのは三味線の一種とも受け取れる 。この怪物は巧みなミスディレクションにより、 対局者の思考に介入してくる精神操作型のFREAKSだ。
ここでは実例を出して説明する。 例えば怪物のリーチ後に2mの暗カンが入ったとしよう。
すると、
怪物「うわあ!2m全部枯れてもうた!」
などと怪物は必要以上に騒ぎ立てる。 なんとなく2mの暗カンを眺めていた人たちも怪物の発言によって 「2mが暗カンされた」という意識を強めるのだ。そして、 当然2mがないのだから、 ノーチャンスで1mは通しやすくなると思うだろう。 そこで1mを切ると…
怪物「ロンw」
怪物のシャボや単騎1m待ちに放銃してしまうわけである。
このようにノーチャンスができたときに口に出したり、 他家が押している様子を見て「強い打牌だな」 などと発言して対局者の意識をそちらに向かせたりする三味線を全てミスディレクションと呼ぶ(私はそう呼んでいる)。
他の怪物にも共通する特徴だが、 彼らはそこまでして勝ちたいのだろうか。自分が楽しければそれでいいという考え方、見直してみませんか?
ただ、以前も同じことを書いたが、 他者の言動を自分の打牌選択に影響させるのはあくまでも自己責任である。 2mが暗カンされていても1mが当たるケースは十分にあり得る。 怪物の行いは絶対的に悪ではあるが、 被害に遭わないようにこちらも身構えることは必要だろう。
No.024 フリー雀荘のことなら俺に聞けマン
遭遇率:★★★☆☆
危険度:★☆☆☆☆
不快度:★★★★☆
総合評価:B
世間のフリー雀荘に行き尽くし、麻雀を極めた存在。 七色の打牌を使い分けることができる。
この怪物はなんといろいろな店のルール、 レートに対応して打ち方を変えている猛者である。
私は基本的に0.5か0.3しか打たないのだが、 稀にこの怪物が現れる。
私「ロン」
怪物「ッカー!!まだ2シャンテンなのに押しちまったよ! でも赤赤だからピンなら押しなんだよなー!」
そうか、としか言いようがない。ここは0. 3卓だから祝儀比率も小さいしやめといた方がいいぞ。
「ピン東ならこう」「赤ナシならこう」「アガリ連荘ならこう」 と様々なルール・ レートによる押し引きの解説をしてくれるのだが、 重要なのは今打っている卓のルールに対応することだと思う。 普段ピンとか打ってて0.3卓に対応しにくいのなら、 もうここには来ない方がいいのでは…
彼らが突然他のルールを持ち出して語り始めるのは放銃した言い訳にしか聞こえないのは私だけだろうか? ちなみに亜種としてTwitterの何切るに「フリーなら〇〇、 天鳳なら〇〇」という人たちがいる。 天鳳の画面をあげてるんだから天鳳のルールで教えてくださいといつも思う。
No.025 極悪スケープゴート
遭遇率:★☆☆☆☆
危険度:★★★★★
不快度:★★★★☆
総合評価:S
我々客には一切害がない珍しい怪物。 彼らが被害をもたらすのはメンバーに対してである。
フリー雀荘ではトイレに行ったり、 電話をしたりするタイミングで代走を頼むことができるのだが、 あまりにも性格の悪い代走を頼むのがこの怪物の特徴である。
リーチをかけたあとなら選択の余地がなく、 和了するだけなのでリーチ代走を頼む人が多いと思うが、 彼らは極悪リーチ代走でメンバーを殺しにかかる。
2大凶悪リーチ代走が、
メンチン多面張リーチとフリテンリーチである。
メンチン多面張リーチは説明するまでもなく凶悪さが伝わると思うが、 手を進める段階でターツを想定しながらじゃないと最終形だけ渡されても何待ちかなんて基本わからない。 代走を頼まれて待ちを確認する時間はほんの数秒しかないのだ。 そのわずかな時間に清一色の待ちを完全に把握するのは訓練していなければ不可能である。これは雀力とは別のスキルだ。
そしてもう一つのフリテンリーチは、 待ちはわかりやすいので簡単! と見せかけて実はその待ちはフリテンになっているのである。 待ちだけを確認した多くのメンバーが、 まさかの代走者に殺される形でフリテンロンを炸裂させて散っていった。
いうまでもなくフリテン清一色リーチなんてもはや最悪である。
これらの代走を頼むだけなら別に自由だが、 問題はこの手をうまく処理できなかったメンバーを叱責する怪物達である。
「この清一色は形が単純だろうが!!」
「河を見たらフリテンなのはわかるだろ!!」
いや、こちらから言わせてもらうと「清一色の待ちがわからない人」や「 フリテンロンをしてしまう」 これらの可能性はちょっと考えたらわかるだろって感じである。 なぜわざわざ間違いが起きやすいタイミングで代走を頼むのか理解 できない。
他にもツモり四暗刻のリーチを出和了したら怒る人や、 オーラスデバサイリーチを関係ないところから和了したら怒る人な ど様々な種族が確認される怪物だ。メンバーはエスパーではない。 代走を頼まれてからと言って自分の思考が100%反映されると思ってはいけない。
本当だったらツモ切りをし続けるところを多少は手を整えてくれるだけありがたいと思おう。
ちなみに某メンバーから、常連の「俺が代走を頼んだら絶対国士に向かえおじさん」 の代走を頼まれたがそんな話は知らなかったので赤赤のリーチをかけたら激怒されたという話を聞いたことがある。もう彼に関しては一体何がしたいのか謎である。
天鳳民列伝Vol.4"youalpha"
このコーナーでは私が尊敬してやまない天鳳民を勝手に紹介する。
今回ご紹介するのは麻雀のみならずオールマイティに活躍している聖人としても名高い超有名天鳳民youalphaさんだ。
彼の逸話は枚挙に暇がない。
パッと思いつくものだけでも、
・天鳳九段を500戦以上維持した後、自らを追い込むため降段
・「牛肉・豚肉・鶏肉、どれが好き?」と聞かれて「サーモン」 と即答
・ 東風セットで四暗刻を和了したのにトップを逃してしまい、悔しさのあまり涙を流す
・ぼたんえびをえびの一種と知らなかった
・実は皇族
・ 東京の地下にyoualphaキングダムを建国しようとしている
・ ブラックホワイト世代までなら全ポケモンの種族値を暗記している
・引越し初日から天鳳民を自宅に招き、パーティを開催
・みんなで早押しクイズで強過ぎて相手に回線を切られた
・ネットリテラシーに厳しく、他者を誹謗中傷するような投稿を許さない
・ HOMO女の実名が入ったLINE画面をツイッターに投稿して楽しむ
・自分が仕留めたシャチの剥製をLINEのアイコンにしている
・雨が降る中、捨てられた子猫に差し出された牛乳をチーして飲み干した
などがある。
彼の人柄を一言で表すなら、ズバリ「温厚」
これに尽きる。
非常に優しい穏やかな性格でありながらクールさも併せ持つ。しかし、 他人からいじられても面白くして返すという素晴らしい人間性をも持っている。だが、麻雀のこととなるとアツい魂に火をつけて誰よりも真剣に取り組む姿勢が印象的なナイスガイだ。
2019年の大型ゴールデンウィークで私は東京に渡り、彼と麻雀を打った。その時のエピソード。
Y「ぼくね、この日のためにずっと前から準備してきてたんだよ」
ワイ「?なにをですか?新しい服買ったとか?」
Y「違う。レーシック手術だよ」
ワイ「ええ~。眼球いじってきたんですか?」
Y「そう。レーシック手術のおかげで視力が3倍になったんだ。 ということは雀力も3倍、安定段位も3倍になってるはずだ」
ワイ「まじっすかwめちゃくちゃ強いじゃないですか」
Y「今の僕には天鳳位なんて通過点だ」
そんなyoualphaさん、 インチキ2巡目リーチで私から12000を和了してご満悦。
(このままじゃラスる…!)
あんな12000のせいでラスを引くなんて絶対にごめんだ。そんな私の思いが通じたのか、南場の親番で奇跡のドラ対子が入った。
そして、無事平和のテンパイ。
4 5 r5p
からr5pを切って赤ひっかけリーチを敢行した。
ワイ(これは出るやろなぁ)
Y「……。通し!(打3p)」
ワイ「!!ロン!ロンロンロンロンロンロンロンロンローーーーン!」
Y「え…」
ワイ「youalphaさん、最終手出し5pのリーチに3- 6pは危険牌ですよ」
Youalphaさんは唇をかみしめて震えていた。 そして、拳を握りしめて悔しそうな表情で下を向いた。
きっと彼は私のひっかけリーチに対して怒っているのではない。 放銃してしまった自分への不甲斐なさに震えているのだろう。
Youalphaさんのように、どれだけ実力を高めた者であっても私のような有象無象に負けることがある。それがこの麻雀というゲームの醍醐味だ。
そんな彼の弱点をご紹介。
レーシック手術の影響で安定段位が軽く20段を越えているため、 稀に驕りを見せてしまうのである。そのため、たまに強引な押しをしたり牌効率に逆らったリーチをして下民をからかったり…。 そういった強者ゆえの傲慢にこそ付け入るスキがあるといえよう。
格下を舐めきって赤5sを鳴かせた上にトイトイを全くケアしないyoualphaさん
点棒の暴力にものをいわせ、わざと悪い待ちで下々の民をおちょくるyoualphaさん
今天鳳で最も安定段位の高い男youalpha(3倍のため)。その並外れた視力で今日もあなたの手牌を見透かしているかもしれない。
最終話 目指せさらなる高み‼︎
こんばんは
さらなる高みです。
第1話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/02/012228
第2話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/02/183423
第3話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/04/022246
第4話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/08/000104
第5話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/08/234103
第6話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/15/021419
第7話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/08/30/001649
第8話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/09/14/193333
第9話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/09/19/234445
第10話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/10/16/015439
第11話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/10/18/221556
第12話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/11/11/203154
第13話
https://saranarutakami.hatenablog.com/entry/2019/11/12/112706
ついに到達した昇段戦。
あの長かった六段坂の頂についに手をかけた。
ここで一発で決める必要はない。無理をしてトップを取らなくてもいい。2着で御の字。3着でも問題ないんだ。
タイトルをかけたプロの対局に比べたら何度でも挑戦できるんだから緊張するな…
頭で言い聞かせても体は正直だった。
長年夢見た鳳凰卓があとたった一つのトップで手が届くところまで来ているのだ。
一度落ち着いて明日にするか…?
そんな弱気な考えがふとよぎる。
しかし、
「いや!こんな状態で眠れるか!」
私は半ばヤケになりながら予約を押した。
こうして魂の昇段戦が幕を開けた。
ご丁寧に四段から六段まで各段位の人間が揃っている。"特上卓"を凝縮したような卓だ。最後の対局にはふさわしい。
いざ尋常に勝負…‼︎
東一局配牌。
ドラが対子。ブロックは4。
まずまずの手だ。速度は今ひとつだがパワーはありそうなのでじっくりいこう。
3巡目
123の三色が見えて無理なくドラヘッドを使える体制。まだ仕掛けないが、終盤鳴いても和了が狙えそうなのは大きい。
とここで絶好の8pが入ったが、何を切ればいいか混乱。123の目を残して67m払いもいいが…
ここは打2s。
両面ターツを残し、よもやのドラ重なりも使い切れる形にしてみた。
次巡、7p引き!
その後もどんどん有効牌を引き入れ、強力なイーシャンテンとするも…
悪夢の先制リーチ。
しかし、この手はかなり押したい…
心の押し引きスイッチを迷わず「押し」に入れた。
しばらく頑張ったものの、この6s引きでさらなる高みのガラスのハートは限界を迎えた。とにかく放銃だけは避けたいという思いで67mを外していく。
粘りに粘ったが結局テンパイできず。
早い段階でテンパイしたら打8sで8000点の放銃となっていた。危ねえ……
東1局一本場
手なりでテンパイ。一手変わりで三色がつく手だが、現状役無しなので即リーチした。
上家に若干押されていて内心震えていたが6mポンの打8mをしっかりキャッチ。三色を見ずに即リーしたのが功を成した。2600は2900、リー棒を拾って4900点の加点。
東2局配牌
あまり打点に期待はできないが三元牌が2つ対子で速度感あり!点数はすこしリード気味なのでここは素早く流そうとした矢先…
"麻雀"が始まってしまう。
なんだよそれは。
なんだその清一色は!?!?
君がツモったのは場に2枚切れてる8pなんだが??????
なぜその嵌8pをツモられて、私はこの手を一副露もできていないんだ?????
…っと失礼、興奮していたので他家の和了批判をするところでした。
こんな時はみんなの大和田頭取こと中嶋隼也プロの『論理的思考で勝つ麻雀』(マイナビ出版・2019年)の表紙を見て落ち着こう…
運のなさを嘆いている暇は私にはないのだ。
これは下家さん見事な和了でしょう。
かなり痛い点差をつけられ、「無理せず2着で良くないか…?」と弱い考えが頭をよぎった。しかしまだ東場。チャンスはあるはず!
東3局配牌
人がやる気を出してるのになんだその落書きみたいな配牌は。いい加減にしろよ。
いや、嘆いても仕方ない…
ここは、勝つための思考法・戦術に則ってひとまず全力で手を作ろう…
10巡目
ん?
11巡目
なんかスイスイと有効牌が入ってテンパった!
これはツイている!不確定なタンヤオではなくもちろん平和のつく3m切りリーチ!これはアツいぞ!!
しかし次巡…
なにをしゃあしゃあと赤5m押してくれてんだよ。おまけにリーチだと?こっちはもうツモ切りマシーンと化してるんだぞ!
マジでこういうので掴むとかやってないからな…ホントにやめてくれよ…ホントに…
これは値千金の勝利!
完全に実力を反映したツモを見せてやった。ついでにさっき清一色をツモった下家にしっかり親被りさせて3000-6000の和了!
そして東4局…
勢いに乗ったさらなる高みはもう止まらない!
だが、しかしこれは"麻雀"…
もーーーごめんってーーーー
知ってるねんこの流れは掴むやつって。
浮かれたんは悪かったからほんま一発だけは勘弁して……
と思ったが、意外と安い手をツモってくれた。
こんなんで親満放銃とかマジでやってないのでほっと息をなでおろした。
東4局1本場
手なりで進めて1000は1300の放銃。
下家がかなり早かった。点数の近いライバルへの放銃は辛いが、安手で親を蹴れたのでOKだろう。
ここで半荘は半分を消化。
戦いは南場にもつれ込んで行く。
南1局配牌
ここで一度、状況を確認しておこう。
現状31100点持ちの2着。上2人と下2人の争いにはなっているが、全員僅差である。満貫一発で状況はひっくり返るし、ここから先はよりシビアに打つ必要があるだろう。
この親番を蹴ればラス目候補もだいぶ絞られてくる。大事な一局だ。
4巡目
ここで不用意に切ったドラの北を下家がポン。
まだ9pとか切るもの残ってるのにこれは大チョンボだ。さすがに冷房が止まっている疲れがここに来て判断力を鈍らせたか。
赤5mを引き入れたが、下家が1pをポン。
もう筒子がかなり切り辛くなってしまった。
無理して押し返す手でもないので、ここは諦めて筒子以外を切ってうっかり形式テンパイでも取れれば御の字だろう。
ただ、染め手に対応しているときに一番嫌なのは他家からリーチがかかることだ。他の色も切れなくなってしまう。
そんな私の懸念に応えるように…
お前が来るんかい!!
なんだその1p対子落としは!?
打点が全くわからないがメンタンピン赤とかに刺さるのは嫌だ。筒子はもう切りたくないし、これは困った。
歯を食いしばりながらオリていると…
最悪や。
それが一番嫌なリーチやねん。。。
なんか先制リーチに押してるな〜とは思ってたが、染め手にもヤバイ筒子を叩きつけてのリーチ。完全に親からの宣戦布告だ。
そして次巡、
またも私は"麻雀"を目撃することになる。
なんだァ?テメェ…
なんでこんな打撃戦になるんだ。こちとら昇段戦だぞ!!!お前、ラス目が…‼︎
大人しくしてろヨォ!!!
😢😢😢😢😢😢😢😢😢
表紙の頭取は優しく微笑んでいるが、もう涙で目が霞んで何も見えない。こんな不安嘆かずにはいられない…
大和田頭取…私はあなたの教えを守れそうにない…
煮えて煮えて…
しかし…まだ諦めてはいけない。
対局前に誓ったじゃないか。
無理にトップを取る必要はない。
3着でも良し。2着なんか取れた日には大勝利だ。
南1局一本場
点数はほぼ原点まで戻された。
今回はまずまず配牌だしタンヤオでさっとあがれそうだ。しかし愚形ターツが多いので、不安定な手でリーチを受けるわけにはいかない。慎重に進めよう。
親が早々に白のポン。
クソォ…やめろォ……😢
しかし、割り切って考えると、トップ目が和了する分にはもうどうでもいい。2着を目指していけばいいのだ。親とリーチに放銃しないようにだけ気をつけよう。
ここでズボッと赤5m!
3900からうまくいけば満貫・ハネマンも狙えそうだ。
ここで切った南を下家がポン。
お前らスピード勝負はやめろ!!!
ゆっくり手を作らせろ!!
しかしこちらも負けじと3pズッポシ!
こうなったら配牌の時とはわけが違う!
ここで俺はこのモンスターを召喚するぜ!
ゴブリン突撃部隊
ATK2400
DEF0
【戦士族・効果】
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。
ここが正念場だ。
もうちょっとやそっとではオリない。オリられない。
テンパイしたら嵌7sでも御構いなしにリーチだ!
すると麻雀の神が私のその心意気に応えたのか…
神様…あなたの想い、確かに受け取りました。
俺はこのモンスターを攻撃表示で召喚する!
そして、
麻雀人生最大最後の
空前絶後超絶怒涛限界突破アトミックリーチ!!!
リーチをかけた私の頭をさまざまな思い出が駆け巡った。
長い戦いだった。
大学時代、ふとしたキッカケで麻雀をはじめた。そしてドキドキしながら初めての雀荘デビュー。
初フリーでは指が震えた。ノーテンリーチをしてしまった。そんな初心者丸出しの僕に麻雀を教えてくれたのは雀荘のオーナー岡本プロだった。
あの時の教えは今も忘れていない。
きっとこれからも私の麻雀の根底には岡本プロの教えがあるだろう。
香川を出て移り住んだ関西ではマスター@イーソーを中心にいろんな天鳳民と知り合うことができた。
Twitter上で有名なプレイヤー達と毎週のように麻雀を打った。いろんな話をして、麻雀を教えてもらい、「さら高さんなら七段になれますよ」と言ってもらえたのがとても嬉しかった。
みんなの初鳳凰卓入りのときの話を聞いて、同じフィールドで早く自分も戦えるようになりたいと思った。
六段坂は本当に辛くて何度も挫折した。
少しの不調で昇段寸前から降段間際まで落とされ、全くやる気が出なくなった時期もあった。
それでもいつか七段に上がりたい!という一心で復活を遂げ、天鳳を打ち続けた。
Twitterに何切るを上げては、どこの誰かもわからん奴らに否定的な意見をぶつけられ、悔しい思いをしたが、それも自分の実力不足と歯を食いしばって耐え忍んだ。
1日に何度もラスを引いて悔しい思いをしたこともあったが、次の日には「絶対取り返してやる」という気持ちで予約を押したものだ。
そして今、ついに辿り着いた昇段戦。
ハネマンをツモられ、取り返したと思ったら今度はオヤッパネをツモられ…これでもかというほど"麻雀"というゲームの理不尽さを経験できた。
それでも私の心は折れてはいない。
この戦いを制してさらなる高みに登る‼︎
私は残った南2局からオーラスまで涙を流しながら打っていた。
まだ勝負は決していないのに気を抜くのは本当にダメだと思うが、倍満ツモで私の持っているものは全て出尽くしたのだ。
そして…
長い戦いが終わった。
緊張してなかなかOKを押すことができない。
(スクショをしないと…)
(観戦してくれている人は五分遅れだから最後まで楽しんでもらうために、すぐには結果をツイートしないでおこう…)
そんなどうでもいいことに気を巡らせながら、OKボタンを押した。
天鳳七段。
夢にまで見た文字がそこにはあった。
あんなに弱かった自分が鳳凰卓というフィールドに上がれた。
感動で指の震えがしばらく止まらなかった。
この後、多くの方から祝福のメッセージをいただき本当に嬉しかった。電気が止まっているので、携帯の充電が若干不安だったが、それすらどうでもいいと思えるほどの多幸感に包まれていた。
こうして私は夢の鳳凰卓に足を踏み入れたのだった。
私、さらなる高みが初の七段に昇段するまでを書き記したブログは以上で完結だ。
第1話に書いた通り、私は麻雀が下手くそだったが、特に実力を向上させることもなく、そのまま七段に昇段できた。
なので今六段坂で苦労している方もそこまでハイレベルな技術を身につけなくても七段になれるということがわかると思う。必要なのは根気と精神力だ。はじめての六段坂を登ってそれを痛感した。
本ブログにはタメになるようなことは一切書いてこなかったが、六段坂に挑戦してる時は無意味に「六段坂 きつい」とか「天鳳七段 すごい」とか検索しちゃいますよね。
そんな藁にもすがりたい思いで鳳凰卓を目指す特上民の皆様に向けてこのブログを書きました。
私自身まだ豆鳳民なのにイキってこんなブログ書いちゃっているが、たくさんの人に「楽しみにしてます」と応援していただけてありがたかった。
今後も何かしらブログは更新していこうと思うので、その時はまた目を通してくだされば幸いだ。
そして、関西にお住いの皆さんや関西に遊びに来るという方はぜひセットやオフ会のお誘いしてください!関西天鳳民の聖地(?)イーソー梅田店で会いましょう。
それでは長くなりましたが、今回はここまで!
またねー👋
天鳳民列伝Vol.3"をがわ"
麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋
いつものようにセットをしていると急に歌いだした男がいた。彼の名はをがわ。兵庫県は神戸市をホームタウンにするシティボーイだ。彼はマナ悪なので麻雀中に歌い出すクセがある。
対局中、感情の動きが所作に表れるのは雀士として珍しいことではない。テンパイすると急にタバコを吸い始める人がいたり、打牌速度が目に見えて早くなる人がいたり… 落ち着きがなくなる人がいるのは雀荘ではよく見る光景だ。
彼にとっての「歌」も同じだ。彼の手牌の「異常」を表している。
私の知る限り、彼が「歌」うときは
・テンパイが近い
・好形のテンパイ
・好打点のテンパイ
このいずれかの兆候であることが多い。
歌っている曲によって警戒度が異なるのだが、あいみょんの『 マリーゴールド』はS級危険ソングだ。 をがわの手は相当に良い可能性が高い。 超好形のイーシャンテンか、すでに高打点のテンパイか…
牌を握る私の手にも自然と力がこもった。
をがわ「
柔らかな肌を寄せあい
少し冷たい空気を2人
かみしめて歩く今日という日に
何と名前をつけようかなんて話して 」
※あいみょん『マリーゴールド』より一部抜粋
これはまずい。
『マリーゴールド』が二番に突入しているではないか。 今までにない未曾有の緊急事態だ。
安牌を多めに抱えておかないと大変なことになるかもしれない。
しかし私の焦りもむなしく、次の彼の巡目…
「あ、リッチィ!!!」
ダメだ。手遅れだった。
村上プロのような発声でウッキウキのリーチをかけたをがわは『 マリーゴールド』を歌い続けている。 一体どれだけのテンパイが入ればあんなにご機嫌になれるのか。
なんとか自分の番はしのいだものの、続くをがわのツモ番…
「あツモォ~~~~。リーチ・一発・ツモ・赤・三暗刻・対々和~~…うり3~~~~~!」
私は目を覆ってため息をついた。
ツモ三暗刻対々和って…四暗刻じゃないか。 しかもご丁寧に裏3まで乗せやがった。
おまけに一発ツモをかました上に赤5pをツモりやがった。
そりゃマリーゴールドも歌うわけだよ。お前の勝ちだ、をがわ。
「や~ったやった!やったのマークのやった寿司~!」
※かっぱ寿司のCMの曲の替え歌(をがわ勝利ソング)
このコーナーでは、 私の尊敬する天鳳民達を本人の許可なく勝手に紹介する。
今回紹介するのは、冒頭にも書いた通り、 関西若手天鳳民の一人をがわさんだ。
彼はイーソーオクトパスの新規入隊選抜で惜しくもボコボコなっちょに敗れたが、オクトパス予備軍として関西のセットやフリーで活躍している。
雀風はとにかく赤が大好き。
赤ドラを持っていたら対親リーだろうが、後手だろうが、 愚形だろうが攻勢に出る。 かなりIQが低下するようだ。しかし、正直フリー雀荘で出くわすとかなり嫌なタイプの打ち手である。
赤ドラに頼って副露したものの、追っかけリーチの安牌を失って泣きそうになりながら魂のゼンツをするという人間味あふれる一面もある。
攻撃力がとにかく高いのが特徴だが、意外とメンタル面はもろい。ハネマンを親被りしたら心を落ち着かせるため、 急にタバコに火をつける。これは心が弱ってる証拠なのでタバコを吸い始めたら一気に畳みかけて心を折ろう。
彼は麻雀だけでなく、カラオケやボーリング、 映画やアニメなどマルチな趣味を持っているが、 中でもお気に入りの趣味がきれいなお姉さんとお話できるお店である。
実はをがわさん、街で美女とすれちがったら満面の笑みで頷くほどの紳士である。そんな彼がお姉さんとお話できるお店にたどり着くのは必然であったのかもしれない。
東京のどこかにある店を"約束の地"と呼び、あたかなくんと今度行く予定を立てているようだ。
さらに、 彼は持ち前のジェントルメンを活かして天才的な理論を提唱している。もしかしたらノーベル賞ものの発見なのだがこの場を借りて紹介しよう。
お姉さんのいるお店に行く→嬉しい気持ちになって運量が高まる→ 麻雀で勝てる→またお姉さんに会いに行ける→以下無限ループ
という永久勝利システムを確立したのである。これにはマスターイーソーも脱帽しっぱなしであった。
この前も二人で動物園にいったときのこと…
ワイ「をがわさん、 お姉さんのお店に行くときって一人で行くんですか?」
を「当たり前じゃないですか。良かったら今度一緒に行きますか? 」
ワイ「いや~~、まあJDのワイが行くのもなんなんで…。 振り込みの達人さんとか誘ってあげてくださいよ。 かなり行きたがっていましたよ」
を「そうですね。幸せはシェアしたいですからね。 今度声をかけてみます」
~後日~
ワイ「お、をがわさんなんか肌ツヤがいいですね」
を「はいぃ~!実はこの前、 さら高さんと別れた後一人でお店に行ってきました~!!」
すさまじい行動力である。
しかもその日別れたのは難波だったのだが、 わざわざそこから神戸の行きつけのお店に移動したというのだから驚きだ。
あの時のをがわさんの笑顔が今も脳裏に焼き付いて離れない。街で一人のをがわさんを見かけてもそっとしておいてあげよう。
彼はこれからお姉さんに会いに行くのかもしれないから。
天鳳民列伝Vol.2"あたかな"
このコーナーでは、 私が尊敬する天鳳民達を本人の許可なく勝手に紹介する。
前回Vol. 1では本人に全く相談もなしに勝手にSeriaさんのことを書いたが、 本人からも読んだ人からも好評をいただいてほっと胸を撫で下ろしている。
この勢いで調子に乗ってどんどん過激なことを書き始めるかもしれないが、温かい目で見守っていただけると幸いだ。
さて、今回は関東を代表する若手の星、あたかな選手を紹介する。
彼は若干20歳の学生で、青雀旗杯や麻雀甲子園など、 数々の学生大会でその名を馳せている実力者だ。 しかも某雀荘で勤務していることもあり、 とても礼儀正しい好青年である。
私にもわざわざ「関東に来るときは声をかけてください!」 と連絡してくれる爽やかな男である。
さて、ここまで読んだ皆さんの頭の中で「 あたかなくんはどんな人だろう?」 とイメージが膨らんできていることと思う。
しかし、その頭に浮かんでいるイメージ像、だいたい間違いである。
どうせ皆さんの頭の中にいるあたかなくんは
こんなんだったり、
こんなんだったり、
こんなんだったりしたのではないだろうか?
いっておくが、あたかなくんは爽やかな好青年ではあるが、 見た目年齢はどう見ても20歳ではない。
実際のあたかなくんの写真を載せることはできないが、
こんなんである。
天鳳民で天下一武道会を開催したら優勝するのはプロテイン得盛選手かあたかな選手だろうと私はにらんでいる。それくらい僧帽筋と大胸筋が発達している。
そんなあたかなくんを代表する麻雀の技が、その恵まれた体格から放たれる強打である。
しかし、不思議と彼の強打は牌も卓も傷つけない。 最大の威力を卓に叩きつけているのに、衝撃をそのまま地面に逃がすことで牌には一切の損傷を負わせることなく雷のような激しい音を轟かせる。
初めてあたかなくんの強打を目前にしたとき、 私は恐怖の大王アンゴルモアが20年遅れで地球に襲来したのかと思ったくらいの衝撃を受けた。
あたかなくん相手に先制立直をしても、だいたい2~ 4筋くらいは強打で強引に危険牌を通そうとしてくるので注意が必要だ。
うっかり強打の衝撃で気を失って「ロン」と言い損ねないようにしよう。ちなみにあたかなくんは基本的に河を見ていないので既に通ってい る安牌も強打で通してくるので要注意だ。
そんなあたかなくんだが、 せっかく恵まれた体にも関わらず弱冠20歳にして盲腸を発症。
痛恨の入院を余儀なくされ、10月のたま子杯出場を断念することとなってしまった。
どれだけ筋肉が発達していても内蔵をやられると人は弱る。 ドラゴンボールでも悟空が心臓病で死にかけていたのだ。サイヤ人でも無理なもんは人間では到底無理である。
しかし、漢あたかな「 関西天鳳民が来てるのに寝ていられるかよ」と病院を脱走。
たま子軍団杯には間に合わなかったが、翌日のセットには気合で参戦し魂の強打を見せてくれた。
日中打ち続けたにも関わらず、 飲み会後の延長戦セットにも当然の如く参加。実家暮らしのあたかなくんは終電を気にする素振りを見せながら一向に帰る気配を出さない。
あまりにも帰らないので心配して私は彼に聞いた。
ワイ「あたかなくん、結局終電は大丈夫?」
あ「いや、〇〇時が最終っすね。それ過ぎたら帰る手段ないです」
ワイ「もう〇〇時やで?」
あ「…!よっしゃ!終電逃しちゃ仕方ねえ!! 朝まで打つしかないっすねこれは!」
盲腸も完治せぬまま、夜通し石ころを並べるとはアツい男である。
しかし10分後くらいには、
あ「やっぱさすがにまずいかな…お母さんに怒られるよなこれ…」
あ「病み上がりで徹麻はさすがにまずいよ…」
あ「どうしよう…どうしよう…」
と狼狽していた。言ってもまだまだ若手天鳳民である。
真の天鳳民ぽんでらいおんは留年が決まった際、いかに『進級できるよう全力を尽くしたにも関わらず結果が伴わなかった感を泣きながら伝える』かを考えていた。
あたかなくんにはそうなってほしくないが、 十分に素質はあるなと感じながら私は麻雀を打っていた。
そしてこの麻雀、非常に和気あいあいと楽しんでいたのだが、 この直後に思いもよらないトラブルが発生した。
あ「やべえ!麻雀楽しい!!(パアン!!)←アツい強打の音」
ワイ「あたかなくんとセットできてよかったよ。 でもまだまだ楽しくなるのはこれからだぞ」
あ「ダメだ!笑いすぎて血が滲んできた!」
そう。なんと漢あたかな、麻雀を楽しみすぎるあまり、 笑いすぎて手術痕が開いてしまったのである。
彼のきている白いTシャツにはじんわりと赤いシミが広がっていた 。
血を流しながらも麻雀を打ち続けるなんてかっこよすぎるよ、 あたかなくん。
あたかなくんは鳳凰卓からチャオっても不死鳥のようにすぐに六段坂をのぼる実力も兼ね備えている。そして雀荘で働いているだけあって分別もついているので誰彼構わず強打をすることもなく、マナー面でも非常に紳士的である。
まだまだ未来あるあたかな選手の成長に今後も期待が高まることが予想されている。
天鳳民列伝Vol.1"Seria"
このコーナーでは、私が尊敬する天鳳民達を本人の許可なく勝手にご紹介する。
クレームが来たら記事を削除するので魚拓を取るならお早めにお願いしたい。
さて、 Seriaさんといえば鳳凰卓ではお馴染みの超鉄強者である。
天鳳元十段の実力者で現在は九段だ。
彼を一言で言い表すなら"麻雀バカ"という言葉は彼のために用意された言葉だというくらい、 Seriaさんは麻雀のことを愛している。 天鳳界一アツい男である。
Seriaさんとは2019年の2月、 青ちむさんが大阪に来るということで開催された大阪オフで初めて 出会った。
そのころの私はまだ六段だったので十段の人と会うのは初めてだっ た。どんなイカレポンチが来るのかとドキドキしていたのだが、 現れたのは想像以上にまともそうな青年だった。
そんなSeriaさんの雀風はとにかく粘り強い。
それに尽きる。
先制立直を受けようが、ダンラスに落ちようが、 当たり牌を絞ったままクネクネと迂回して高打点のテンパイを入れ てくる。
実際ほぼ目無しのオーラスからラス回避を成功させる姿を何度も目にしているが、本当にしつこい。
オマケにぬるい放銃がない。
染め手の気配を察知したら、簡単にはその色を出さない。
私達のような豆鳳民だと「一枚だけ…」 と甘えてしまうような牌もとにかく絞る。 染め手の人から同色が余っていなくても出さないのだからその絞りぶりは徹底している。
氏曰く、「 余っていないからって見合わない所から切って12000の放銃とかやってられない」とのこと。
なかなかそこまで徹底できるものではないので、 この損得勘定は見習っていきたいと思うが、 まだまだ真似できない。
そんなSeriaさんの強さを示すあるエピソードを紹介しよう。
Seriaさんが来阪した際にセットをしていたときのこと。
豆ダマ警察のVepさんがいつものようにアツいリーチ論を語る。Seriaさんは神妙な面持ちで頷きながら話し始めた。
S「実際、リーチっていうのはものすごい強い役なんだよ」
S「親のドラドラって手はだいたいどんな点数状況・ 場況であっても曲げた方が得なんだ」
なるほど、なんて深い言葉なんだ。
親の時ほど、アガりたい一心でダマにしてしまうこともある。
私は自分の弱い心を恥じた。
そしてその直後…
S「ツモ。ツモピンフドラドラの2600オール」
Seriaさん!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
さっき親のドラドラは曲げ優位って…!?!?!?!?!?
まだ割と序盤(多分6~8巡目くらいだったと思う)ですよ!?! ?!?!?!?
Seriaさんは照れ臭そうに鼻の頭を人差し指で掻いた。
S「アツく語ってたらテンパっちゃってさ… リーチのタイミングがわからないままツモっちゃった」
さすがSeriaさん。 アツい麻雀論を交わしているときは自分にとって損な選択でも話を中断することはしない。アツすぎる男である。
そんなSeriaさん、意外にも大阪梅田の汚いところが大好き。
梅田では扇子に書いた「そろそろ」「いらっしゃいませ」 といった言葉を見せつけながら声をかけてくるキャッチがいる。
S「あの『そろそろ』 って言葉もあの人が考えた営業努力なんだよ」
S「あの人の次回作、俺は見たいと思うな」
Seriaさん… 普通に歩いていたらうっとうしいだけの存在であるキャッチの努力 を見出すなんて、アツすぎるよ。
S「いいなぁ…大阪」
最後に、 Seriaさんのアツい想いを紹介して締めの言葉とする。
「天鳳位になれるのは十段だけだ。 だから十段で保存するのはとてももったいないことだ。 次に十段になった時には俺は狙うぜ…天鳳位」
次期天鳳位を愚直に目指し続けるSeriaさんから今後も目が離せない。
【番外編】フリー雀荘に潜む悲しき怪物3
雀荘は人だ。
今や全国に溢れているフリー雀荘だが、客が店選びをするときの基準はなんだろうか?
料金、ルール、立地、サービスなどいろんな要素があるだろう。しかし私は一番大事なのは人だと思っている。
その店で働くメンバーはもちろん、客層というのも雀荘を選ぶ上でとても大切な要素の1つだ。私達は麻雀を打ちにフリー雀荘を訪れるのではない。コミュニケーションの場としてフリー雀荘を選択しているのだ。お年寄りの集う喫茶店や病院と同じだ。
しかし、どれだけ気に入った雀荘にも1人や2人ウマの合わない人はいるものだ。そして、この世に蔓延る怪物【freaks】も数多く息を潜めている。
悲しいことにfreaksはその勢力を拡大している。みなさんがfreaksの被害に遭う前に、今回も怪物達の特徴と対策をご紹介する。
No.015
ハクション大魔王
遭遇率:★★☆☆☆
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★★★★
総合評価:A+
細菌を撒き散らすバイオfreaks。
クシャミをする時に手で抑えたりせずに、勢いよく放出する。
ウィルスを飛ばしてくることもさることながら、ツバや鼻水が飛んでくるのでシンプルに気持ち悪い。
亜種として、手でクシャミを抑えはするがそのままおしぼりなどで手を拭かずに牌に触れる怪物もいる。
私はやや潔癖の気があるので、本当にこのfreaksだけは無理だ。ただでさえ冬場の雀荘は感染症の温床になりやすい。もしもあなたの体調が優れないなら今日は家で天鳳をしておこう。
ついでにクシャミの抑え方は厚生労働省から公式にファイナルアンサーが出ているので紹介しておく。(画像は咳となっているが対策は同じだ)
No.016
時をかけるロン
遭遇率:☆☆☆☆☆(固有freaks)
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★
総合評価:S
これは私自身が被害を受けた話ではないのだが、実際に起きた事件なのでご紹介しよう。
時は遡ること数年前…
私の対面のおばちゃんからリーチが入った。
被害者のAくん(上家)はしばらく考えたのち、4mを切った。リーチに対しては激烈危険牌である。
しかし、おばちゃんは動じない。
Aくんも安堵の表情だ。
ワイ(やったな、A)
私はAくんの強気な押しに心の中で賞賛の言葉を送った。と同時に今度はAくんが危険なので2人の共通安牌を残すため面子を崩した。
そして下家のおばちゃんの切り番。
誰もが予想しないタイミングで事件は起こった。
下家おばちゃんは打1m。
リーチに通った4mの筋だ。
対面おばちゃん「ロン」
下家おばちゃん「!?」
ワイ「なっ…シャボだと…っ⁉︎」
Aくん「……」
対面おばちゃんが倒牌する。
待ちは1-4mだった。
ワイ「両面……⁉︎…………ん?」
下家おばちゃん「なんや1mかいな〜。ほんでも4m通ってるやないの」
下家おばちゃんの言う通りだ。
リーチ一発で4mが通っている。にも関わらず見逃してロンということは普通ならチョンボだ。
対面おばちゃん「せやからその4mがロンや」
Aくん「!?!?!?!?!?」
ワイ「その手があったか〜…‼︎」
なんとおばちゃん、掟破りのタイムトラベル。4mが切られてから私と下家おばちゃんのツモ番が回ってからの遅ロンだった。
対面おばちゃん「だってあんたら打つのが早いんやもん」
いや、そこまで早くないと思うが…
いや、待て。
そういえば年齢を重ねると"時間の感じ方"が変わるという話を聞いたことがある。私にとっては長く感じる10秒でも歳を重ねたおばちゃんにとってはほんの一瞬、刹那の出来事なのだろう。
結局、この理外のロンはおばちゃんが「慣れていないから許してあげて」という裁定で有効となった。ノーレならともかくオンレでその裁定はどうなんだ?
少しモヤモヤしたものが残ったが、今度から年配の方と打つ時は少しゆっくり目に打とうと心に決めたのだった。
No.017
ソシャゲ廃人
遭遇率:★☆☆☆☆
危険度:☆☆☆☆☆
不快度:★★★☆☆
総合評価:D
卓に着いてもずっとソシャゲをしているモノ。
ハッキリ言って不快である。
私も一丁前に麻雀をしている時は頭を使っている。にも関わらず、河もなんも見てないいい加減に打っている怪物が勝ち始めると流石にイラっとしてしまうのだ。
ガチャを引きたいなら代走を頼むとか、そもそも雀荘に来ないとか色々対策は打てるはずである。緊急の連絡とかならいいが、なぜ麻雀を打ちながらソシャゲをするのか。
この怪物の対処法は簡単だ。
副露やリーチを多用して気を散らしてやろう。
うまくいけば麻雀でも負かせられるし、ソシャゲの方も無駄にスタミナの浪費をさせられる。
No.018
目と目が合う瞬間
遭遇率:★★☆☆☆
危険度:★☆☆☆☆
不快度:★★★★★
総合評価:B
ダマ派の人に非常に多い。
ロンした後に、放銃した人の顔をじっと見つめてくる。その時、何を思っているかは定かではないが、やたら嬉しそうなドヤ顔をしていることが多い。
点数のやり取りをするときに顔を見るのは構わないが、放銃後に顔をじっと見られると「どう?俺のダマわからんかったやろ?」と言われているような気がして煮える。
逆に覚えておいてほしいのだが、1段目とかでダマにささるのは分からなくて当然だし大体曲げ優位なので損しているのは怪物の方である。
また、終盤のダマに放銃する時はこちらも「ヤバイかな」と思いながら切ってるので、完全に不意打ちだったというのはレアケースである。
とはいえ、ダマ5800とかは正直激痛だ。
顔を覗き込むことに悪意がない人もいるかもしれないが、やられてる側に不快な思いをしている私のような人間がいるということもご理解いただきたい。
No.019
自分を無敵と勘違いしたメンバーの寿命は短い3
遭遇率:★★★★★
危険度:★★★★★
不快度:★★★★★
総合評価:S
もうこいつは本当に許せないので、こいつがいる店にはかなり長いこと足を運んでいない。
行くとしてもこいつと会いそうな時間帯は避けている。
今回紹介するエピソードはこれまでのものより比較的軽いものだ。
この怪物が私のことを完全に下に見ているのはPart1でお伝えした通りだが、実際直接の対戦成績では恐らく私が微妙に負け越しているはずだ。
だいたい私が先手を取っても怪物がゼンツして追っかけ→パッツモか私の放銃で競り負けるかのどちらかだが、たまには私が勝つときもある。
その日、私は頑張って手を作って筒子23456789の1-4-7p待ちのリーチを打った。高めなら一気通貫がつくし、仮に安めでも全く問題なしの親リーチだった。
聴牌外しまでしてたどり着いたこのリーチ、必ずモノにしたい。リーチの発声にも自然と力がこもった。
だが怪物は当然のように押してくる。2p、8p、3p…など私をあざ笑うかのように筒子を連打してきた。
(なぜこいつ1-4-7だけ出さないんだ…)
もしかしたら後ろから別のメンバーが通しでもしているのだろうか。などと人として最低な想像をするも、これだけ筒子が切られているのならば1pは山に生きているなと確信した。
脇2人はオリ気配なので怪物に追いつかれさえしなければツモれそうだ。
そう思った時だった。
怪物「リーチ!!」
河に置かれた赤5pが横に曲がっていた。
なんなんだこいつは。
なぜそんなに中張牌を押してくるのに1pは出ないんだ。
まずい…
俄然有利な状況のはずなのに、冷や汗が流れた。こいつに追いつかれたというだけで心は折れかけていた。
しかし次巡…
私は4pをツモった。
リーチ・平和・ドラ・ツモの2600オール。
高めにならなかったのは残念だが、上々のあがりだ。
事件はこの直後に起きた。
怪物「いいな〜、ツイてて!」
なんか…今こいつ…
この私の和了を運だけ扱いしなかったか…?
この聴牌に辿り着くまでに紆余曲折あったのに…それを全て……
"ツイてる"の一言で済ませたのか…⁉︎
さすがに限界だった。
これが運だけならお前のペン3p(パート1参照)なんか運だけの極みだろうよ。こっちは対子で3p持っていたんだぞ。
というか客に言われてもうっとうしいことをなぜメンバーのお前が言うんだよ。
もうこの怪物には雀荘メンバーというか接客業そのものが向いていないのでは……
勝利したはずの2600オールは何故か虚しかった。
今回の図鑑は以上だがいかがだっただろうか。
麻雀界には曲者が多い。
テーブルゲーム系は大体そんな気がするが何故なんだろう。どうしてもっとこう、スカッとした打ち方ができねぇのかな。
麻雀界をさらなる高みに昇華させる。
それが今の私の目標であり、願いである。